近年のプロ野球を見ていると、「人気のセ、実力のパ」と言われた時代が遠い過去のことのように思われる。過去20年間の日本シリーズにおける対戦成績はセ・リーグの11勝9敗であるのに対し、過去9年間では7勝2敗と大きく勝ち越している。人気、実力ともに「セ高パ低」の時代が来てしまったのだ。ここで、過去10年間の成績ではなく、9年間の成績に触れたかというと9年前から導入されたFA制度と逆指名制度(現・自由獲得枠)に原因があると考えるからである。特に今年優勝した巨人においては、主力選手のうち4人がFAで、8人が逆指名で入団した選手であり、現行制度の危険性は否定できない。
では、どうすればセ・パの均衡が取れるのだろうか。ダイエーの王監督が自由獲得枠を2枠から1枠にすべきだと言及したが、私は1枠どころか自由獲得枠そのものの廃止を願う。なぜなら、プロ野球界にFA制度が存在するからである。元来、FA制度はドラフト制度による弊害を解消するために導入された制度であり、自由獲得枠の存在はFA制度の機能を著しく低下させている。よって、自由獲得枠の廃止は戦力の再均衡につながると言える。
次にFA制度に目を向けると、選手会やファンからは資格を獲得するための在籍期間をメジャーリーグが6シーズンであるように、現行の9シーズンより減らしていこうという意見が聞かれる。それにより、今以上に移籍が盛んになり、戦力均衡につながると考えるからだそうだ。私もこの意見に賛成だが、勢力均衡に大いに力を発揮するかは疑問だ。悲観的なものの見方をすれば、移籍が盛んになればなるほど、勢力はますます偏りそうな気がするからだ。私は単に期間を短くするだけではなく、FA選手を獲得する球団にはFA選手の入団人数や、ドラフト指名権に制限を加えるなどの措置をとるべきだと思う。
仮に自由獲得枠の完全撤廃を前提とした上で、1球団のFA選手の獲得は2年で1人に制限し、同時にその年のドラフトは3巡目からの参加としてみてはどうだろうか。これにより1球団に戦力が偏る機会は減少し、多くの球団がFA選手獲得に名乗りを挙げることができる。かなり厳しい提案ではあるが、プロ野球ファンは球界に大きな変革を望んでいる。この時期を逃せばプロ野球界は衰退の一途を辿ることは目に見えている。政界と同様に抵抗勢力の存在により困難を極めると思うが、明日の日本プロ野球界のために戦力均衡を実現すべきである。 |