「技能とか作戦とか戦術とか戦略とかいろいろな言葉がありますが、それぞれの意味の違いってあるのですか?」
質問者:「まちゃきさん/15歳」

長い目でチームを考えるのが、「戦略」。戦略から戦い方を考えるのが「戦術」。戦いの状況に応じて指示していくのが「作戦」だ。

◆「戦略」「戦術」「作戦」のそれぞれの意味


戦略・・・戦術より広範な作戦計画。各種の戦闘と総合し、戦争を全局的に運用する方法。転じて、政治社会運動などで主要な敵とそれに対応すべき見方との配置を定めることをいう。

戦術・・・戦闘実行上の方策。一個の戦闘における戦闘力の使用法。一般に戦略に従属。転じてある目的を達成するための方法。

作戦・・・(1)戦いを進めてゆく上でのはかりごと。(2)戦略単位以上の兵団の、ある期間にわたる対敵行動の総称。

(『広辞苑』)

 ちょっと難しい説明だけれど、みんなそれぞれ意味が違うことがわかるだろう。「戦略」は、簡単に言うと「長い目で見たチームの闘い方」というところだ。
 野球の世界で考えてみよう。
 将来的にどんなチームにするか? そして、そのために、今年何をするか? これはチームを左右する大きな問題だね。投手力を強化したいのか、守備力を徹底させたいのか、機動力をアップさせたいのかなど、さまざまな強化策があるなかでどれを選択し、そのためには何が必要かを考える。また、ドラフトやトレード、フリーエージェントなどで、どんな選手を獲得し、どんな選手を出すかなど、全体構想を考えるのが戦略なんだ。 
 その「戦略」でそろった環境から、実際にどういう風に戦っていくかを考えるのが、「戦術」だ。
 チーム力に沿った、選手たちのトレーニングメニューを考える。そして開幕から1ヶ月をどのように闘うか、とか、今日の試合で相手チームはどういう選手を揃えているかを見て、それに対抗して、どういう戦い方をするかを考える。どんな選手を配備するかを練るのが戦術だよ。
 「作戦」は、その試合での状況に応じた具体的な指示のこと。例えば、バントかヒッティングか、その試合の流れによってなど出していくんだ。

◆考える人も違う
 戦略・戦術・作戦。ちなみに、この3つは意味も違えば、考える人も違うよ。
 戦略を考えるのは、ゼネラルマネージャーの役割で、戦術や作戦を考えるのは、フィールドマネジャー(監督)の役割と決まっているんだ。
 だから、ゼネラルマネージャーがフィールドマネジャーの作戦について口を出すことはないし、逆に、フィールドマネジャーがゼネラル・マネージャーの立てた戦略に反対するなんてことはありえない。だって「チームの戦略」が気に入らないなら、監督を辞任するだけのことなのだから。
 ちなみに、今では「ターゲット」とか、「コミットメント」といった言葉も良く使われるようになった。「ターゲット」とは、チームにとっての最高目標のこと。「コミットメント」は、これだけは絶対に達成しようという達成目標。
 去年の阪神タイガースの「コミットメント」は、最下位脱出だった。ところが前半戦、思わぬ活躍をしたので、急きょ「Aクラス」へとコミットメントは変ったんだ。でも、結局は4位という、コミットメントは守れぬまま終わってしまったけれど。
 「まちゃき」君も、これを機にチームそれぞれの戦略・戦術・作戦に注目して試合を見てみよう。
戦略は成功しているか?作戦はどうだったかなどを考えて観戦することで、スポーツが一層面白くなるはずだ。


<<しつもんのいちらんにもどる   
(c) Osaka City Sports Promotion Association. All rights reserved.