子供ではないけど、ずっと疑問に思ってることがあります。野球とソフトボールの監督は、どうして選手と同じユニフォームを着ているんですか?そんな競技他に無いと思うんですが。
質問者:「くりまろんさん 27歳」
野球の監督は選手と共に試合に参加するが、他のスポーツの監督は試合に参加することはないからです。

◆野球監督の最大の役割はチーム全体を盛り立てることにある

 野球、ソフトボール、サッカー、マラソン、ラグビー・・・・それに、陸上競技や水泳まで、日本ではあらゆるスポーツの指導者のことを「監督」と呼んでいますね。けれど、監督の役割は、それぞれスポーツ競技の種類によって異なります。特に野球と他のスポーツの場合は全く違ったものであり、そこにユニフォームの謎が隠されているのです。
 野球(:以下ソフトボール略)の場合、試合を一番左右するものは何でしょうか? 監督の采配だと答えたいところですが、それが一番とは言い難い面 があります。監督がホームランのサインを出したところで、ホームランを必ず打てるはずはないですし、バントが成功してスコアリングポジションに走者を進めても、次の打者がヒットを打つかどうかもわからない。細いバットで小さなボールを打つ行為では、監督のサイン以上に、むしろ偶然性に左右されることの方が多いですね。
 では監督の存在は一体何かというと、選手が気持ちよくプレイする環境をつくることなんです。成績の悪い選手を励ます。チームに喝を入れる。活躍した選手と一緒になって喜び合う。チームみんなを盛り立てるために、監督は存在するんです。
 試合でもその姿勢は変わりません。調子の出ないピッチャーに対し自らマウンドまでやってきて声をかける。その一声は「頑張れ」や「お前ならうちとれる」という何のアドバイスも無いただの励ましの言葉でしょう。けれど選手にとっては大きな言葉になる。監督が常にフィールドを行き来し、選手たちに気を配り、選手と一緒に試合に参加することで、選手がベストを尽くせるのです。だから監督がユニフォームを着る必要がでてくる。監督が「一緒に参加する」という存在なら、選手と一緒のユニフォームを着るのは当然のことなのですね。
 実際、大リーグでは監督のことを「フィールドマネージャー」と呼んでいます。マネージャーとは「管理する」という意味。チーム全体を一番良い状態になるよう管理していくということですね。マネージャーに選ばれる判断基準が選手自身の成績よりもそれぞれの選手を理解し、盛り上げ、適切なアドバイスができる人物であるかが重要になる理由はそこにあるんですね。



◆野球以外のスポーツ監督はチームを指導するため
 一方、野球以外のスポーツではどうかというのは、サッカーを例にとって考えてみましょう。
 サッカーでは、効率よく得点する上で攻撃・守りそれぞれにフォーメーションの組み方というものがあります。どこのポジションについて、どう攻めていくのか。誰にボールを渡し、何人がアシストするのか。それはプレイヤーのそろい方によってもたくさんの組みかたがあり、もちろん対戦相手によっても変わってきます。
あらゆるフォーメーションの組みかたがあるなら、監督は試合に備えて実に具体的な作戦を立てることができます。考え抜いた作戦を、練習時に選手に対して明確に教えることができますね。
そして試合。それは監督にとっては次の練習準備の材料となります。結果をみることで、あらたな作戦を立てていくのです。つまり、試合を外で見つめるのが監督の最大の役割なのです。選手と共に試合に参加するのではありません。
イギリスでサッカーの監督のことを「ヘッドコーチ」と呼ぶように、監督はあくまでも指導者であり、指揮官なのです。ですから、ユニフォームを着る必要は全くないのです。

 
◆野球もサッカーの監督も誕生地の呼び名で呼ぶべき

 以上のように、野球の監督とそれ以外のスポーツの監督では存在理由が全く違うのです。先ほど触れたのですが、アメリカでは野球の監督を「フィールドマネージャー」といい、野球以外のスポーツでは「コーチ」(または「トレイナー」「ディレクター」)と呼んでいます。役割が明らかに違うから名前も違うというわけですが、残念ながら日本は全部一緒くたにしてしまっているのが現実です。全てのスポーツの最高指導者を「監督」と呼んでいますね。
 日本で生まれた柔道や空手は外国に普及していても、指導者をコーチと呼ぶ国はありません。日本で呼ばれていた通り「センセイ」と呼んでいる国が多くあります。
 日本のスポーツ界も野球・サッカーが発展していった国の呼び名で呼ぶべきではないでしょうか。野球は「フィールドマネージャー」。サッカー、バスケットボール、バレーボールは「ヘッドコーチ」と。
 そうすることによって、それぞれのスポーツの、それぞれの指導者によるそれぞれの役割というのがはっきりと理解されていく気がしてなりません。
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