|
◆体操器具が不十分でも体操は続けられる
自家製の吊り輪に、自分たちでアレンジしたという跳馬。ETCの練習には、手づくりの体操器具が欠かせない。
「設備が不十分であることへの不満は、確かにあります。でも、自分たちで作れる分は作ればいいことだし、
揃っているものだってある。鉄棒だって古いけど、頑張ってくれてますよ」
ETC代表、川口さんはそう言って笑う。中・高・大などの学校のクラブに所属していない限り、体操器具の充実した場所で練習する機会はほとんどない。学校のクラブを引退し、社会人となったとき、体操をしようとしてもできるような環境は少ない。ETCは、そんな充分と言えない環境下でも"なければ作る"精神で、乗り切ってしまう。社会人になっても体操を続けたいという思いが、1999年、クラブ創設のきっかけとなったのだ。
「体操は、面白いですよ。いくら器具が少ないからといっても、諦めたくないじゃないですか」(川口さん)
◆練習の積み重ねが生む技の数々
月面宙返りに、ムーンサルト・・体操の魅力は、なんといってもその超人的な技にある。アテネオリンピック体操男子団体のあの感動的な金メダルは記憶に新しい。人間離れした技を、いとも涼しげな表情で美しくこなす選手達の姿に感動した人も多いだろう。だが、もちろん、神技の背景には、絶え間ない努力がある。
「センスも、あるでしょう。けれど、一番大切なのはトレーニングを怠らず、続けること。体操は一日にして、なしえないですから」(川口さん)
そんな地道さの上でしか成り立たない体操。だからこそ、技ができたときの感動は、ひとしおだ。
「練習を続けて、できないと思っていた技ができたときは、最高の気分です。言葉では言い表せないですね」(川口さん)
◆メンバー募集中 目標は体操人口を増やすこと
ETCは、現在メンバー募集中だ。10名いるメンバーのほとんどが経験者だが、初心者でもやる気があれば歓迎するという。活動は週1回。体操のほか、ソフトバレーボールや、ボーリングなど別のスポーツをすることもあるとか。
「体操だけでなく、いろんなスポーツをしていきたいですね。だから、チーム名にあるようにETC(エトセトラ)、なんです」
興味のある人は、一度見学にきてほしいとのこと。また、HPには「燃焼系燃焼系〜」のCMで知られる技の実演動画も見ることができるので、一度覗いてみるのも面白い。
「今後の目標ですか?社会人の大会に出場する、というより、体操人口をもっと増やせたらと思っています。そうすると、設備の整う体育館ができてくるかもしれないですし。より多くの方に興味をもってもらえるよう活動していきたいですね」
そう話す川口さんの横に、手作りの吊り輪がある。そのひたむきな情熱が、芽生える日もそう遠くはないはずだ。
(文:藤田あかり)
|